2012年12月20日木曜日

軽装戦士に生きる道はあるか? の話。

 dvamp氏のblogにて話題になっていたが、アレがネタ的話題(…だよな?)であることを考慮しても幾つか言及するべき点があり、思いの外長くなったので敢えてこちらで。

 まず第一にセレスチャル・アーマーの価格(22,400gp)だが、購入限度額で考えれば所持金の1/2で9レベル、本来推奨されている鎧のコスト1/4限度を考えると12レベル程度となる。作成すればコストは下がるが、今度は+3強化ボーナスの為やはり最低でも9レベル以上となる。何より、ミスラル製+3フル・プレートofグラマード(19,500+2,700=22,200gp)(外見は通常の服装、重装鎧だが中装鎧扱い、AC12、秘術呪文失敗率25%、【敏捷力】ボーナス上限+3、防具による判定ペナルティ-3)より高額になるという点である。

 また、推奨されている弓ファイターもバーバリアンも確かに【敏捷力】は高いが、弓ファイターは筋力との兼ね合いもあり実はそれ程【敏捷力】を上げられないという問題があり、それに鎧修練があるので通常の鎧でも問題が無い場合が多い(レベル9時点ではサッシュオヴジウォーチャンピオンを含めて+3)。
バーバリアンについては、元々多少のダメージはものともしない高いhpが与えられているのもあるが、特に”自暴自棄”と”来るなら来い”を使用する場合上げるのが馬鹿馬鹿しくなる程アーマークラスが下がる。
 では、セレスチャル・アーマーが全く無用の長物かと言えばそうでもなく、基本的に軽装鎧迄しか装備出来ず、【敏捷力】をダメージに変えられるガンスリンガーや《デルヴィッシュの舞踏》を使用するメイガスにとっては優秀な防具と言えるだろう…尤も、どちらも【筋力】を無視出来る為、場合によっては9レベル時点で【敏捷力】修正値が限界である+8を突破してしまうのだが(種族修正による敏捷力が+4されるゴブリンならば確実だが、容姿にこだわる人達が選択するかどうか)。
そもそも、身も蓋も無い話ではあるが折角ルールとして重い鎧に動きを阻害されることなく戦うことが出来る能力を持つクラスが用意されているのだから、まずそちらを使うべきだろう。
 
 改めての話となるが、まず一概に防御と言っても4つの段階がある。
1.間合い:間合い武器やそれよりも長い射程を持つ遠隔武器や呪文等で攻撃が開始される前に相手を行動不能にする。
2.無効化:ウォール類やフリーダムオブムーブメント等により発生した攻撃を無かったことにする。
3.回避:アーマークラスや視認困難等による判定で命中を外れさせる。
4.軽減:ダメージ減少やエネルギー抵抗を使い命中したダメージを軽減する。

 理想は勿論全ての攻撃を1と2の段階で片付けることだが、これは無理なので3以降の手順が発生することとなる。そして30程度迄は比較的簡単に上げられるが、それを超えての上昇が緩やかになるアーマークラスと比較しても、攻撃ボーナスは各種呪文やボーナスにより比較的簡単に20以上を達成出来る。この辺りは古代~近代に於ける鎧と武器の関係そのものだが(最終的に銃器により鎧が意味を成さなくなる辺りも含めて)。4版はその辺りを工夫しているが、アレもアレで思わない部分が無いではない。
話がずれたが、頑強の代名詞であり重戦士の例えとして用いられるTank、即ち戦車(余談だが、コンピューターRPGの古典であるウィザードリィでは極めて堅牢な装甲をシャーマン戦車に例えていた)の装甲性能を高める技術である傾斜装甲や中空装甲、積層装甲等の様々な技術を以てしても砲弾の技術進歩の方が遙かに進んでおり、直撃すれば即座に行動不能となりうる。
(BGM:鋼鉄のララバイ)
 そもそも、防御を重視しすぎて攻撃能力を手放すのは前衛として本末転倒である。

 そしてアーマークラスさえ上げておけば比較的安全な低レベル時とは違い、8レベル以降の前衛として注意すべきはむしろ戦技や高い出目から発生するクリティカル・ヒットの方だ。
前者は足払い程度であればまだいいが、超大型サイズ以上のクリーチャーのつかみから引き起こされる飲み込みは極めて致命的であり、後者は単純に大ダメージ(これも勿論脅威だが)を与えるだけでなく、加えて様々な二次被害を及ぼすクリティカル特技が使用され始めるのである。
どちらも共通しているのは「自分の行動を大幅に制限される/失う」ことであり、これはどのキャラクターにとっても一番避けたい状況なのは言うまでもない。
麻痺や組み付きを無効化出来るフリーダムオブムーブメント(巻物で700gp、指輪で持てるのが最上だが40,000gp)や確率でクリティカルを防ぐフォーティケーション(ライトでは心許なく、ミディアムなら当てには出来る。ヘヴィは高価すぎる)、そして1日1回とはいえ僅か5,000gpでアーマークラスが1上がり(しかも貴重な幸運ボーナス)必ずクリティカルを無効化出来るジンガサ(形状に不満があるのであれば相当品をGMに申告すれば良い)等があれば、貴重な手番を失うことなく戦い続けられるだろう。

結論としては
・格好のみであれば鎧にグラマード(+2,700gp)を付けておけばいい。
・スタイルとしての軽装戦士であればシステムが助けてくれる剣聖メイガスやモンクやガンスリンガーを選べばいい。
・ジンガサは買え、出来れば2枚。
・あの引きで3月は遠すぎる。
といったところか。

 最後にもっと根本的な話となるが、所謂JRPGにおけるゲーム内の戦闘は敵から受けるダメージを大量の回復アイテムを湯水の如く消費しながら戦う、”蝶のように舞い、蜂のように刺す”からは程遠く泥臭い戦闘が大半で、逆に所謂洋ゲーの方が遮蔽や遠距離からの狙撃等の戦術を駆使した(1発当たれば即死するからというのもあるが)洗練された戦いを多用する場面が多い。

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